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採用面接

ある会社で、採用面接で不合格になった方の情報を会社の面接担当者?の人がその会社所属でない第三者に話してしまったことが、ネット上で話題になってます。

 

法律的には詳しいことを知らないのですが、慣習的には、採用関連の情報は会社が秘匿すべきトップランクの情報だ、という風に教わって育ってきました。
たとえば会社在籍中に他社の採用面接を受けた、という情報が在籍中の会社に伝わった場合、自主退職を促されたり、役職を失ったり、嫌がらせをされたり、社内での立場が悪くなったり、という不利益を受けることがありえます。

なので、会社としては、採用関連の情報は露出機会を最小限にするために、決められたロールの人しかアクセスできないようにする事が一般的です。実際そういう専門のシステムが導入されていた会社に、私は所属してました。

また、面接担当者、人事担当者にも相応の社会人としてのモラルが求められますし、万が一今回のように他人に漏洩してしまったりすると社会人としての人間性が疑われてしまう事もあります。

 

とはいえ、実際のところ、大きな、それこそ上場しているような企業であっても、採用面接でモラルにもとるような扱いを受けることは結構あります。

個人的な経験の中では、たとえば、面接の場で社内の内情を根掘り葉掘り聞いたりしてくる人。その時は同業他社のライバル企業の面接を受けたということもあり、面接担当者が探りを入れてきてたのだろうことはすぐ理解できました。
そういう時は適当にはぐらかしたり、煙幕的に明らかに嘘の情報を伝えたりしますが、時間を割いて訪れてくれている人物への評定を放棄して情報を聞き出すだけというのは、とても失礼な気がします。

それ以外だと、面接と聞いて会社に訪れたのに、気が変わったので面接はしません、という対応を人事の方にされたり。その時は、会社の愚痴を1時間半くらいずっと聞かされました。。

あとは、面接官が開口一番「あなたは病気ですか?」と聞いてきた事もありましたね。

 

以上は、全部上場企業、もしくは上場間近とされている企業の話です。非上場の中小規模な会社だともっとヒドイところも結構ある気がします。。。

 

以前、僕が面接官をしていた時、同席していた人事の方に面接後にダメ出しをされた上で言われた事をよく覚えています。

「面接は、企業の広報活動として考えてください。たとえ何かしらの理由で採用に至らなかったとしても、相手に良い印象を残すことはお互いにとってもプラスになります。面接を受けた人が「あの会社受けてみたけれど、対応も考え方も真摯で素晴らしいんだよね」って周りの人に伝えたくなるような、そんな面接を心がけてください。」

「面接に一番大事なのは、納得感です。残念ながら不採用になった人にも、なぜ不採用になったのか、面接の中でそれとなく伝え、納得してもらう事が必要です。釈然としない基準で不採用になったりするとそれは会社に対する悪感情につながります。ある程度面接の中で基準となるもの(技術のレベルや、経験等)をそれとなく提示し、面接者自身がどの程度応えられたか、不十分だったか、肌感覚で理解していただくようにすることが大事です。」

「面接官の言動や、決断は、面接者の人生を大きく変えてしまう可能性があることを十分に理解してください。面接官に共通に求められる考え方は、「面接者が幸せな人生を送れるかどうか」です。採用の結果その人が幸せになれるかどうか、そこを必ず頭に入れて、面接に望んでください。」

 

社会人のモラルについては別として、上記のような人事の方の金言を僕がどれくらい守れているかって言うとあまり自信は持てませんけれど、でも意識はするようにしています。

 

 

ちなみに採用情報の漏洩の件ですが、元々は面接を受けた方がブログか何かに顛末を書いた事によって炎上してしまったみたいです。個人的には、空気読めとかそういう意味でなく、そもそもブログに書くのもどうかな、って思います。

書いた人が何を達成したかったか、っていうと、おそらく「憂さ晴らし」でしか無いですからね。。当事者同士で解決するのが一番良かったと思います。