ホリエモン
個人的にはホリエモンは好きなキャラクターの一人で、彼が色々なところで話す技術に対する熱い情熱については好感を持っています。
(参考)
大前研一 × 堀江貴文 「日本のテクノロジー」対談(完全版) - YouTube
しかし、世間を騒がせたあの「ライブドア」を会社として改めて振り返ってみると、業界ナンバーワンのサービスをまったく持っていないことに驚かされます。
実際は、子会社含め、何かしらで国内ナンバーワンサービスを所持していたかもしれません。しかし印象が薄いです。
もちろん、極短い間ですが、TV CMの影響もあってlivedoor blogがブログ草創期の時期に国内ナンバーワンのシェアを持っていました。しかし収益化にはほど遠い状態でしたし、後出のアメーバブログにあっさり抜かれてしまい、現在は収益化は果たされているようですがFC2と同じように2chまとめブログやエロサイトの運営で収益を稼いでいる状況です。
webサービスで言うと、livedoor newsやlivedoor pics、livedoor mailなど、先行する企業が提供していたようなニュース・写真・メールサービスなどを提供していましたが、ナンバーワン企業とはクオリティ的にもユーザー数的にも大きく水を離され、一部はすでにサービス終了しています。
子会社であった弥生やジャックス、セシール等々ですら、それぞれ優良な企業でしたがナンバーワンサービスではありませんでした。
個人的な主観で乱暴にまとめると、livedoorの提供するサービスに独創性を感じさせるものは無く、基本的にはアメリカや日本の流行サービスの焼き直しサービスが多く、かつ国内でナンバーワンシェアを獲得できませんでした。もしくは維持できませんでした。と言えると思います。
国内の他のWebサービス企業、Yahoo! Japanや楽天、サイバーエージェント、叩かれる事の多いDeNAやGREEについても、それぞれ国内で確固たる収益基盤を持ち、ユーザーを獲得しています。こういった企業群にくらべると、ライブドアの立ち位置の異常さを、今更ながら感じてしまいます。
「なんでこんな実体の無い状態だったのに、市場価値が高く、あんなにも皆熱狂してたの??」と。
こういう事に思い至って、個人的にホリエモンは「とても聡明で口は上手く、実業家としてはその時々の「流行」を上手く取り入れて資本家をその気にさせ、お金を集めるのに長けている」実業家、という印象を持ちます。
現在、力を入れているとされるロケット事業の会社「SNS」にしても、細々とロケットを打ち上げる実験を続け、国内からお金を集める事には成功しているようですが、アメリカのSpaceXとは大きく水を空けられています。
ニュース - スカパーJSATが新衛星の打ち上げロケットの調達契約を米SpaceX社と締結:ITpro
はたしてホリエモンは本気でSpaceXに追いつこうとしているのか、本気でロケット産業を実業化するつもりがあるのか、こういう「流行」ネタを餌に投資家から小金を集めているだけではないのか、という疑念が湧いてきます。
もちろん上述のような話が懸念で有ることを祈りますし、個人的にはホリエモンを応援したいんですよね。科学的で論理的でない実業家が多い中、ホリエモンは異彩を放っているのが現状で、こういうスタイルが異彩ではなく当たり前の世の中になって欲しいので。