アイ

把握

A「これこれこういうことなんだよね」

B「把握」

という会話が、チャットなどでは当たり前になりすぎて、この「把握」という言葉の使い方が正式な使い方というよりはネットスラング的なものだ、ということを忘れてしまいがちです。

原義的には、以下の辞書サイトから引用すると

はあく【把握】の意味 - 国語辞書 - goo辞書

(1) しっかりとつかむこと。手中におさめること。「政権を―する」

(2) しっかりと理解すること。「その場の状況を―する」

 

ネットスラング的な使い方は、ニコニコ大百科を参照するとわかりやすいですね。

把握とは (ハアクとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

把握とは、「わかった」「理解した」という意味で使われる。

ex)「はい、わかりました」→「おk、把握した」

 

ニコニコ動画内では「タグ把握」など定型句となっているものもある。

 

また、「了解」などと同じ返事として使うこともある。

ex)「これ捨てといて」「了解」→「これ捨てといて」「把握」 

原義の2の意味が微妙に変質して、「分かった」「理解した」「了解」とほぼ同義になっている感じですね。会話中に「〜〜を把握する」という以外の文脈で使われる事は以前は無かったはずなので、 ネイティブな日本人にとっては目/耳に新しい感じがします。

 

ちなみに中国語だと

把握_百度百科

⑴握;拿。 例:司机把握着方向盘。

⑵抓住(抽象的东西)。例:把握时机。/透过现象,把握本质。

⑶成功的确定性。 

 また微妙にニュアンスが違いますね。。(1)は動作としてつかむ、(2)は比喩として〜〜をつかむ(例:チャンスをつかむ、本質をつかむ)、という使い方になっています。(2)は日本語の(1)の用法と比較的近い気がします。

(3)はまったく僕も知らない使い方でしたね。。「成功する確率」みたいな意味なんでしょうか。

 

漢字の意味という観点だと、日本と中国との差異は普段から気になりますし「違うものだ」という意識が強いですが、冷静に考えてみると世代間の格差もあるわけですよね。

そんな事に思い至りました。