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逃避としての留学

中国学子不应把留学当作逃避进入社会的途径――中新网

タイトルを訳すと「中国人は留学を社会に出ることからの逃避にしてはいけない」くらいの意味でしょうか。

一応上記の記事的には、中国の大学を卒業した後海外の大学院に進学している人が増えているけれど、これは一種の逃避だよね、というような文脈で記事が書かれています。何に対しての逃避かというと、国内の有名大学の大学院や研究機関に入れないから海外に途を求めるという意味での逃避もあるし、社会に出て仕事をする際に必ず直面する「実際のところ自分は何ができるのか?」という問いかけからの逃避もあります。

 

実際のところ中国国内のある程度の水準の大学を卒業できるのであればまだ良い方な気がします。国内の熾烈な学歴競争を勝ち抜いてきているので。

国内の大学にうまく入学出来ずに、たとえば日本などの海外の入学資格の比較的緩い大学に途を求める人については、「逃避」という言葉が当てはまりやすい気がしています。

 

日本の大学もビジネスのため、少子化の状況下出来る限り学生を稼ごうと留学生を積極的に招聘しているところが多いですが、概ね日本人よりも要求水準を下げ、簡単に入学できるように見受けられます。これは特に専門学校に顕著ですが、それ以外にも4年制の大学でも多く見かけます。

また、海外に出国でき日本のような物価の高い国に留学できるような人は、生まれ育った家が裕福なケースが多いです。なので、学力水準はそれほどではない人が金に糸目を付けずに箔をつけるため日本に留学する、というケースをよく見かけます。

こういう人は日本に来てもあまり真面目に勉強することはなく、同じ留学生仲間の人達と遊び歩いたり、遊ぶ金を稼ぐためにバイトしたり、という生活を日本で過ごす事になります。

 

もちろんすべての人がそうではなく、たとえば国費留学生として日本に来ていたり、日本政府からお金を支払われて招聘されている奨学金留学生の方々は、優秀な方が多く学業への取り組みも非常に真摯です。

また、一度社会に出た後一念発起して社会人大学院に入学するような方も、軸がしっかりしているため(まれに遊び歩いたりもするかもしれませんが)しっかりと成果を得て帰国していきます。

 

要するに人により様々なのですが、概ね4年制大学などに在籍している学部生の方は、あまり真面目に勉強しているとは思えないです。まあこれは日本の学生も大差ないかもしれないですけれどね。

唯一差があるとすると、中国から日本の大学に入る際は、

まず日本に滞在→日本語学校で半年〜1年程度勉強して大学受験に備える→学部生として入学

というフローをたどる人が多く、そのため入学時の年齢が留年無しの日本人より概ね1〜2歳程度高くなります。人によっては23〜4歳くらいになってはじめて大学に入る人もいます。

社会に出るのが遅くなる事はハンデで、歳を取れば取るほど周囲から要求されるレベルがexponentialに高まっていきますが、そんな中こういう人があまり学業で熱心でなかったりする様を見ていると、確かに「逃避」という言葉が当てはまりそうだな、と思ったりします。