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ギャンブル依存国家・日本

僕も父親がギャンブル狂で色々つらい思いもしたので、これ系の本をよく読みます。

 

ギャンブル依存国家・日本 パチンコからはじまる精神疾患 (光文社新書)

ギャンブル依存国家・日本 パチンコからはじまる精神疾患 (光文社新書)

 

でもこの本はかなりハズレだった。

精神科医であったり依存症に取り組む専門家が様々な専門的な観点や見地を基に科学的にギャンブルに依存する構造を解析する。もしくは、社会学的にギャンブルというものはどのような位置づけで、どのように発展し、どのように社会として必要とされてきたもしくは規制されてきたかの歴史をひもとく。そういったアプローチで、我々はどのようにギャンブルに接するべきなのかを考える一助になるような本を期待するわけですが、この本は違った。

この本は、「ギャンブル」はとにかく悪くて、ギャンブルを許容している社会が悪い、すなわち日本の行政が悪い、とだけ言っている本です。

 

脳内の報酬回路には衝動的なものと論理的なものがあり、ギャンブル依存症になっている人は衝動的な報酬回路が極端に発達しており、いわゆる一般の人と同じような損得勘定や判断ができなくなる。そしてこれは一度その回路が出来上がってしまうと修復は難しい。

という一節が、この本で唯一役に立った内容です。

もちろんこの点についてもこの作者が最初に述べたわけでもなく、参考文献として記載されている論文を参照するのが良いと思います。

 

ちなみに、この本の参考文献として記載されているものはわずか18で、これくらいのレベル感(個人の思い込みだけ)でも最近は本を出せるのですね......

とはいえ読者も冷静で、この本のAmazonの評価はレビューを見る限りだとかなり妥当な評価になっていると思います。