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横浜サンセット

spitz.r-s.co.jp

映画館で上映されている、ということだったので、会社帰りに知人と一緒に鑑賞してきました。

 

スピッツというのは不思議なバンドです。「ロビンソン」「チェリー」「スターゲイザー」などのヒット曲の影響で、草野マサムネのハイトーンなハスキーボイスも相まって、なよなよした恋愛ソングを歌っている軽薄なバンドという印象があり、典型的な流行J-POPサウンドという印象が強く、音楽通が聴くような音楽ではないという印象が少なからずあるバンドです。

アルバムなどを通して聴いてみると、ひたすらバンドサウンドを踏襲し、派手なケレン味のあるギターリフなどもなく、余計な飾り気なく、J-POP全盛時に歴史に残る大ヒットを残したバンドとは思えないくらい地味で淡々とサウンドを組み立ててる印象が残ります。

そして、ライブを聴いてみると、CDに収録されたアレンジを大幅に変える事なく、CD音源に忠実に演奏をします。そう書くと何も細工もなさそうに感じますが、何回も撮り直しができるCD録音に比べ、ライブは1回きりでCDと同等以上のクオリティを保つのはプロでも難しいわけですが、そんな中スピッツはライブでもCD以上のクオリティと再現度で演奏を披露してくれます。そういったライブ・バンドとしてのクオリティの高さをもっていたりします。

 

そんな彼らのサウンドを特徴付けているのは、結論から言うとバンドとしての完成度の高さということになると思いす。

マンネリになりがちなバンドサウンドに抑揚と変化をもたらす卓越したドラムテクニックを持つ崎山さんをはじめ、ライブでの変態的な行動でいろいろと変化をもたらすベースの田村さん、格好は派手だけれど地味にバランスを取りながらバンドを支えるギターの三輪さん、そして唯一無二の声を持つボーカルの草野マサムネ、このバランスが絶妙です。

とくに、個人的には、スピッツのサウンドの根幹を支えているのはドラムの崎山さんだと感じます。

 

その辺はライブの動画を見てみると一番良くわかりやすいのですが、「横浜サンセット」の映画中で出てきた楽曲の中だと、「みそか」が一番わかりやすいかなと。

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決して歌自体のリズムはアップテンポとは言えない伸びやかに歌われている曲に、烈しいドラムのビートを重ねて、なかなか得難い疾走感を楽曲に与えています。ボーカルについつい気を取られますが、ドラムの卓越したテクニックなしにこの曲は成立しないでしょう。

 

曲に烈しさを与えるといえば、今回の「横浜サンセット」でも演奏されていた、ライブの定番でもある「8823」。

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出だし、波間を漂うようなつかみどころの無いゆらゆらしたメロディから始まるのですが、サビ前にドラムによりスイッチが入る事により、突如として狂気とも思えるような異常な盛り上がりと疾走感をもたらします。

 

「横浜サンセット 2013」は、タイトルにあるように横浜を会場に夕暮れ時から開始された野外コンサートで、当映画はそれをノーカットで映像化し映画化したものです。

先にあげたようなライブならではの疾走感のある曲もありますし、「チェリー」「渚」「涙がキラリ☆」のようなメジャーな曲、「ひばりのこころ」「アパート」などの初期の楽曲など、スピッツの色々な魅力が網羅されているライブになっています。実際、今回のセットリストは今までにスピッツがリリースした14枚のアルバムを網羅したものになっているようです。

まあそんな感じで、彼らのライブの魅力が堪能できる、2時間の映画「横浜サンセット 2013」。各都市の映画館を1ヶ月くらいかけてまわるようです。このライブの映像は商品化される予定が無いということなので、貴重なスピッツのライブ映像を楽しみたい方にはお勧めの映画です。

 

余談ですが、映画館の会場は、40歳以上と思われる女性が結構多かった印象があります。スピッツといえば「黄色い歓声」というイメージがあり若い10代20代の女性という印象が強いのですが、、、まあ、スピッツもバンド結成後30年近くたつ、ベテランバンドですからね。

あと、正直、聴いているとノリノリになって体を動かしたくなります。ライブのようにピョンピョン飛び跳ねたい...... 映画館で着席して聴くのはある意味苦痛なので、zeppとかライブハウスで上映してくれたりしないのかなと思ったりもしました。