名古屋の味覚
以下、関東の人間の視点です。関西以西の人とは受け取り方が違うかもしれません。
名古屋の料理は、関東、というか東京の料理に慣れている人間からすると慣れないことが多く、口の汚い人に言わせると「ゲテモノ料理」にしか見えないものもあります。
僕自身も、どんなに相手を慮り、その世界に存在する論理的整合性を紐解こうとしても、なかなか理解するのは難しい、、、というのが正直なところです。自分の人生経験の少なさを恥じます。
◯きしめん
夏の時期ということもあって、せいろでいただけるきしめん、というものも存在するようです。
僕も味わってみましたが、麺の面が極端に幅広なきしめんの麺だと、つゆになじませることが難易度が高いですし、すする時に上手くすすれず汁が飛び散り服が汚れます。
誰がどうしてこんな食べ方考えたんだろう?
とはいえ、温つゆでいただいても決して美味しいものではありませんが...
正直、あれだけ幅広な麺にすることで、味として恩恵を受けているようには見えません。麺が幅広になることにより、コシを失い、水分を形状的に吸い過ぎるのでさらに柔らかくなる。
日本には、秋田の稲庭うどんなど、とても美味しいうどんがあるので、そちらを食べればいい気がします。
◯味噌煮込みうどん
味が濃すぎて、味噌の味しかしない。
一杯いただくと、その日は水が1~2リットルほど必要になる。
あほか。
◯ひつまぶし
名古屋に来ると、どの店でもこの夏の時期「ひつまぶし」を出してくれるお店は、あつた蓬莱軒、◯やなど名店は長蛇の行例です。「なんでこんな鰻の旬を外れた時期に、油の乗らないやせた鰻をこんなにもありがたがるのだろう...?」というのは正直な感想ですが、それはまあ他の地域でも「夏は鰻」というよく分からない迷信から好まれているところもあるので...。
しかし、その食べ方。どのお店でも、最後に残った鰻とご飯をお茶漬けに食べる食べ方を進められるのですが、パリパリの蒲焼きに仕立てあげられた鰻をお茶漬けに浸そうという考え方が全く理解できない。蒲焼きでなくても、白焼きでもあろうとも、焼いた鰻を浸すなんて発想は関東の人間では出来ない。パリパリの食感は失われ、お茶漬け側にも油がただ染み出し、考えうる中で鰻の一番マズイ食べ方です。
と、言う風に、ステロタイプ的に思っていたのですが、鰻の身は使わずにタレの染みたご飯だけでお茶漬けをいただくとけっこう美味しかったです。甘くて味の濃いタレが、お茶漬けによりマイルドに中和され、食事の最後にいただく風味としては悪く無いです。
要するに僕達が求めていたものは「ひつまぶし風お茶漬け」つまり「蒲焼きのタレ風味お茶漬け」だったことに気づきました。ぜひ、関東の居酒屋とかでも出して欲しい。
鰻の身をお茶漬けに混ぜるのは、引き続き否定派です。
そして美味しい鰻を食べたいなら、冬に三島のあたりに行くのが良いです。
◯手羽先
手羽先は正義
◯味噌カツ
カツを味噌風味の甘いタレでいただくこと自体には好みがアリそうです。個人的には、そこまで苦手ではないですが、普通のソースのほうが口にはあいます。
ただし、カロリーについては、味噌の分がプラスされ、さらに破壊的な重さを持つようになっています。
名古屋には「矢場とん」という大変有名な味噌カツ屋さんがありますが、そこでは「わらじトンカツ」という、その名の通りわらじのような形状をした大変巨大なとんかつを、場合によってはいろいろなソースを組み合わせていただく料理がメニューにあります。
さすがにこんなのばかり食べてたら、世界的に見たらヘルシーな食事が多いとされる日本でも、アメリカばりのク◯デブを大量に量産してしまいます。
事実、矢場とんに出かけた際、隣にいた婦女子の方々は、アメリカ本国にも負けないようなストロングスタイルな感じの方々でした...
単純に味のことだけを考えた場合、味噌カツは、味噌が強すぎて、結果他の風味がすべて負けて失われていると思います。
台湾まったく関係ない
◯まぜめん
別にもう驚かないけど、麺類にも名古屋の人は八丁味噌を混ぜる。味噌の味しかしない。
◯天むす
多く語られていることだけど、油で揚げたての、サクサクの食感が命である天ぷらと、具材を湿気を包み込んでしまうおにぎりは、相性が最悪です。一緒に食べると味が半減以下になるので、別々で食べさせて欲しい。
僕が想像しうるなかで、世界中で、天ぷらを最も不味く食べさせる方法だと思っています。
◯土手煮
別にもう驚かないけど、八丁味噌の味しかしない。
◯味噌おでん
別にもう驚かないけど、八丁味噌の味しかしない。
カロリーのことは忘れるとして、この食べ方はとても美味しいのでお勧めです。熱々の湯気が立つようなトーストに、バターの風味と、小倉餡の甘みがとても調和します。
美味しくいただこうとすると、バターもたっぷり、小倉餡もたっぷり、とにかく塗りたくる、という感じになるので、脂質・糖質とも、だいぶ背徳感を感じる料理です。
いずれにせよコメダ珈琲は正義
コメダ珈琲は正義
◯マウンテン
名古屋にある、というただそれだけの理由で、各地の人にも「まあ名古屋だからこういうのもあるかもしれないよね」と納得させてしまう存在感。
...などと散々な事を書いてきましたが、僕にとって名古屋は、東京の次に好きな都市の一つで、愛着のある街です。つまり愛情の裏返しということで。