アイ

間奏

「この曲、間奏のギターが格好良くて好きなんだよね」的な話をされるたびに、間奏はあくまで歌のつなぎでしかなく、歌の主題ではない枝葉末節の話をされても、、、という印象を持っていた時期がありました。

しかし、間奏が歌のおまけみたいな位置づけ(である歌曲が多い気もしますが)である必然性も無いだろうな、という気もします。

 

たとえば楽器のみで演奏する楽曲に歌曲的な間奏という概念がそぐわない気もします。歌曲でも、たとえばベートーベンの第九は第一楽章から合唱が始まる第四楽章まで50分あまりありますが、それを指して「前奏」と呼んでいいかというと違う気がしますね。

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合唱が始まったあとは間奏と言える場所もありますが、第九の良さを語る時に「第九の合唱間の間奏のちゃーらら〜りーららーちゃちゃらりららりららりーらーらーってところが俺好きでさー」って主張する人はほぼ皆無な気もします。(実のところ僕は結構好きなのですが)

 

一般的な、popsの世界でも、別に歌 > 楽器の演奏 というヒエラルキーになる必要もなく、楽器の演奏部分を引き立てるために歌がある、いわゆる間奏に聴こえる部分が実のところこの楽曲の主題だ、と主張できる楽曲があったって良い気がします。

と書きましたが、実際のところ、楽器の演奏の引き立て役として歌が存在するような歌曲も、世の中にはたくさん存在している気がします。一例として、さだまさしの「舞姫」という曲を紹介します。

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サビのロンド形式のメロディが歌謡曲ならまだしも今のpopsの世界では新鮮な感じがします。

僕の印象だと、感情を抑え気味に比較的淡々と舞姫の人生を語る歌の部よりも、この曲の主題と言えるのはバイオリンがリードを取る舞姫の舞踏を想像させる情熱的で激しい間奏部分である気がします。作者の意図がわからないので、気がするという書き方をここではしますが。

いずれにせよ、この曲は、間奏がとても格好良くて好きなんです。

 

あ、文頭に否定した引用と同じようなことを書いてしまいました...

まあ音楽は、前奏があって歌のAメロ、Bメロがあって、サビがあって間奏があって......みたいなワンパターンに染まる必要もなくて、いろいろな楽曲があるから楽しい気もしますね。