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アイ

ナチスとアメリカ

「新・映像の世紀」の第三集は、第2次世界大戦、というかナチスドイツ / ヒットラーに焦点をあてた編成でした。

ナチスが、政権奪取当初はアウトバーン建設や国民車構想なので経済を立て直し、そういう意味で辣腕を振るっていた優秀な政治家であったというのはいろいろ聞きかじっていましたが、ナチスを経済的に支える役割を多くのアメリカ企業が担っていたというのは詳しく知らず、衝撃を受けました。

 

ヘンリー・フォードは過激な反ユダヤ主義者で、彼の書籍がヒトラーの精神的支柱となったこと。

スタンダード石油(エクソン)は飛行機を動かすための石油を提供しつづけ、ナチスの「電撃戦」を支えたこと。

IBMはパンチカード技術などを提供することによりアウシュビッツなどの強制収容所での効率的な管理を可能にしたこと。

などが番組の方で取り上げられていた内容ですが、映像ではやはり時間の制約もあり断片的で、以下のサイトなどを見るとより詳細が分かります。

ナチスとアメリカ企業の協力関係

 

お金稼ぎのため、反共産主義包囲網のため、そして反ユダヤ主義のため、というのがアメリカにおける親ナチス派の支持の動機といえそうです。

 

歴史上のナチスは、独ソ不可侵条約を結んで後門の狼の懸念を抑制したうえでヨーロッパを制覇しますが、最終的にナチスにとって宿敵の共産主義国ソ連に宣戦布告をし、冬将軍に負けて惨敗します。

もしここで、無理にソ連参戦をせずに、理性的に国力を貯め、占領地域の治世を安定し、盤石な体制を取る事を再優先していたら、ナチスはますます発展し、アメリカのいくつかの企業はそんなナチスに金銭的支援を続けていたのかもしれません。

結果として、虐殺されるユダヤ人の数が飛躍的に増加していた未来があったのかもしれません。

 

共産主義に対抗するナチス(+日本)へのアメリカの支援に見られるよう、敵対する敵を倒したり威嚇するために共通の敵をもつ他国や組織に支援をする、というのは第2次世界大戦後も多く目にすることになる構図に思えます。

そして、その多くは成功することなく、非常に甚大な禍根を残しているようにも思えます。近年では、シリア政府軍に対抗するためのISへの支援であったり、手に負えないジャイアントになってしまった中国であったり。

China 2049

China 2049

 

 アメリカの支援もあり肥大化したナチスの暴走が人類にとって悲惨な歴史を創りだしてしまったように、肥大化した中国が悲惨な歴史を創り出す中心となってしまうのでしょうか。

そんなことを、どうしても考えてしまう、新・映像の世紀の内容でした。