SNSうつ
今週号の週刊東洋経済を読んでいたら、「SNS を使いすぎている人はうつ病になりやすい」という記事が掲載されていました。
原典は一応それなりにしっかりした論文のようです。
わかりやすく解説した記事としては以下。
元論文は以下。
さすがに本文は精読しませんが、results を読んでいると
The weighted sample was 50.3% female and 57.5% White. Compared to those in the lowest quartile of total time per day spent on SM, participants in the highest quartile had significantly increased odds of depression (AOR = 1.66, 95% CI = 1.14–2.42) after controlling for all covariates. Compared with those in the lowest quartile, individuals in the highest quartile of SM site visits per week and those with a higher global frequency score had significantly increased odds of depression (AOR = 2.74, 95% CI = 1.86–4.04; AOR = 3.05, 95% CI = 2.03–4.59, respectively). All associations between independent variables and depression had strong, linear, dose–response trends. Results were robust to all sensitivity analyses.
とあり、一応有意な差が現れているようです。"significantly increased odds"と言っているので顕著に差が出ていると表現しています。なお、"depression" が「うつ病」をさす単語らしい。
実験手法についての評価等々、僕にはわからないし、SNS 中毒にはほど遠い生活をしているので実感もわかないので、個人的な視点ではなんとも評価できないのですが。
うつ病に関して、非科学的な論評に結構うんざりすることが多いですが、最近 NHK スペシャルで「キラーストレス」という番組を連続して放送しており、その中で人がストレスを感じる仕組みや、ストレスが身体に与える影響、そしてその一例としてのうつ病についての話が語られていました。
その中で語られていた、うつ病発症のメカニズムについて、もしかしたら理解不足・齟齬があるかもしれませんが私流に整理すると以下のような感じでした。
そのストレスの耐性も個人差があり、特に番組の中で紹介されていた例としては子どものころから高いストレス環境におかれていた人はそうでない人よりもストレスを感じやすい(≒うつ病になりやすい)ということも紹介されていました。
少なくとも、うつ病は他の病気と同様生理的な現象であるし、「心の持ちよう」とかいったよくわからない存在では無いことは、最近の研究であらためて証明されてきているように思えます。
ストレスをいかにコントロールし、ストレスを感じた時にいかに開放してリラックスするか、ということが、都会などの高ストレス社会で健康的に生きていくための大事な能力であり技術になってくると思います。
そして、あえて SNS の世界のような高ストレスの環境に身を置き過ぎるのも考えものであるなと思ったりします。
以下は僕の偏見を込めた私見で一般的に正しいとは限りませんが、
SNS 大好きな人は
- 自分大好き。とにかく自分が大好き
- 人にかまって欲しい(自分をもっと褒めて欲しい、見て欲しい、等々)
- 人、自分以外の存在や考え方に対してはあまり興味が無い。しかし他人の目はとても気にする
という人が多いように思えます。そのようにして充足感や、他人から認められているという感覚(快感)を得ているように見えます。
そして、即応的にその果実を貪りたいため、深い思考を放棄して、表面的にリアクションしたり、自分の感情を見つめたり整理することなく感情を吐き出したりするような人が多いように思えます。そしてそのためステレオタイプな価値観を大事にし、他人の目を気にするが故に常に他人と比較したがっている(自分が上である、多数派である、と安心したい)。
それらが正しい、とした場合、常に人にアピールをし続け、他人と比較し続けるのは大変ストレスフルな環境であるな、と思います。