アイ

ラ・ラ・ランド

ミュージカル映画、結構好きだよ」という一言で、封切り直後に見に行く事になったこの映画。

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鑑賞後の感想は、いい映画だな、と思う反面、これは誰向けの映画なんだろう?と感じさせる映画でした。

基本的には、ロサンゼルスを舞台に、スターを目指す若者たちの青春映画で、ハリウッドを中心としたショービス賛歌な映画。最初に提示されたプロットを 1mm も外さない予定調和で単調なストーリーもあり、数々の映画の名シーンをオマージュしたと思われる演出の妙を楽しめる「ハリウッド映画大好き」の「映画上級者」の人でないと心の底から楽しめない映画なんじゃないかな、と感じました。

少なくとも、日本人の一般市民の僕には、この映画に感情移入をするというのは、かなり難しいのではないか、というのが正直な感想です。

 

そんな感想を抱いて映画館を後にしたあと、こんな映画批評を見かけました。ああ、同じような感想を抱く人は、他にもいるんだな、と。

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映画は嗜好品なので、皆が自分たちの価値観で好きなように楽しむのが良いと思います。なので僕は「ラ・ラ・ランド」はあまり楽しめませんでしたが、この映画を楽しむ人もいて然るべきだと思います。

 

トランプ政権成立後「アメリカ社会の分断」が叫ばれる中、その分断を作り出している張本人の一翼であるスーパーリッチ層の価値観だけを詰め込んだこんな映画が過剰に熱狂的に取り上げられるのは、そういう時代を写している鑑であるという言い方もできるのかもしれません。

 

同じミュージカル映画であれば、個人的には、今の時代にこそ「ヘアスプレー」のような映画が求められても良いのにな、と思います。

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太っている人、黒人、そして同性愛者(主要役柄でそういう役を演じている人は居ませんが、あえていろいろ噂のあるジョン・トラボルタに女装をさせるあたりが非常にあざとい感じ)などなど、マイノリティと称されがちな人々が抑圧されたものを解放して主役に躍り出る「You Can't Stop The Beat」の爽快感は、比類なきものです。

僕は、特定の人たちの価値観だけを色濃く映し出す「ラ・ラ・ランド」よりも、人々の固定観念を壊して社会が融合していく様を描いた「ヘアスプレー」の方が好きですし、世の中もできればこの映画のように多様性にたいして寛容になると良いな、と思ったりします。

 

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