遜色
「遜色ない」など、よく知られる成語として当たり前のように使う語ですが、では「遜色」とはどういう意味か、僕は問われても答えられませんでした。
たまたま中国語の勉強をしていたときに「逊色(xun4se4)」という単語が出てきて、つまり日本語の「遜色」と同じ意味なのですが、この意味を調べてはじめて意味を知りました。
「遜色」は、日本語でも中国語でも同じ意味で、これで「劣る」というような意味のようです。なので「遜色ない」で、劣るところのない、肩を並べる、という意味が出てくるようです。
僕は原義を知らない間は「よくも悪くもない、同じくらい」というようにぼんやりと認識していました。僕の中では今まで知らなかったニュアンスがこの字に与えられ、軽い衝撃を受けた出来事です。
「逊色」を中国語の辞書で紐解いてみると
不及之处、比不上、差劲。
と書かれており、「劣る」という意味をもう少し厳格化すると、他者にくらべて水準が及ばない、というニュアンスが強くなるようです。
それぞれ語を分解すると
逊: 指的是次、差的意思
色: 指的是品质
となり、「逊」が 劣るとか誰かに及ばないというような意味、「色」が品質というような意味、と分解することができるようです。
遜色の「遜」は謙遜の「遜」でもあり、遜色も謙遜も日本語でも中国語でもほぼ同種の意味を持っています。そういうふうに言葉をつなげていくと、意味が立体的に見えてきますね。