アイ

TFP

伊藤元重さんの『どうなる世界経済〜入門国際経済学〜』という本を読みました。慶応大学での講義内容の再録的な本ということで、講義形式で分かりやすく、現在の経済学の比較的王道な見方について中立の立場で解説してある本という印象です。

 

どうなる世界経済 入門 国際経済学 (光文社新書)

どうなる世界経済 入門 国際経済学 (光文社新書)

 

 

この本の中で生産性を語る文脈の中で「TFP (Total Factor Prouctivity)」という指標が取り上げられていました。日本語に訳すと「全要素生産性」で、資本と労働の投下以外の理由で生産性が向上する(もしくは低下する)事象を観察するために主に用いられる指標ということです。

www.rieti.go.jp

上記 RIETI のサイトの内容に従うと、一般的な生産性は「生産物 / 労働投入」で計算をする。上記新書の解釈では、労働投入とは「資本と労働」の投入量を指す。

TFP は「生産量 / 全生産要素投入量」で計算するようです。上記新書の解釈では「資本と労働」以外のすべての要素(もしくは資本と労働以外の要素)を含んだものを指す。

RIETI のサイトのケーススタディでは製造業と繊維産業の TFP の比較が挙げられており、製造業が右肩上がりに対して繊維産業は低迷していて、これは一般的な生産性の観点における資本投下とは別の軸でたとえば技術的な進歩などの有無の差がこの差につながっている、とのことでした。