リア充になりたいなら芋煮会をしろ
僕はリア充とは程遠い人間です。
しかし僕自身はそういう事は自虐ネタとして口にすることは稀にありますが、実際はほとんど気にしていません。
僕のイメージするリア充とは
- 20代から30代前半にかけて
- 世の中で、暗黙的に定められている男女が関わり色濃い沙汰に発展しがちなイベント(バレンタイン、夏休み、ハロウィン、クリスマス等々)を
- 世間的に認められる形で過ごしていく
ことが強いられる存在で、適切に空気を読みながら恙無くそんなイベントを無難にこなしていくことで「リア充」と称されるのであれば、それはそれで堅苦しい世知辛い世の中の営みな気がしています。もっと自由に、自分の興味のあることを素直に受け入れ、そういう自分を皆に受け入れてもらうようにすれば良いのに、と。
しかし、意外と、世の中の女性の方々は「リア充」という言葉に敏感で、自分がその境遇に置かれているかどうかに自信がなく、そういう周りの目というものを気にしている方が多いようです。
先日、某女子会(?)に参加した際にそういう話になって、自説に確信があるわけではないですが僕の考えるリア充について説明をした上で、「自分が考える、心から楽しめるイベントを愉しめば良いんじゃないの?」という話をした結果、その場の結論としては「芋煮会」だということになりました。
幼少時代
秋になると家族で川原か海辺で芋煮をする。小学生のとき
「芋煮会」の学校行事がある。
各村ごとに、薪や鍋等などの煮炊きの道具と具材を「リヤカー」に積んで持っていく。
グランドに各自かまどを作って芋煮(穴を掘るのでトラックで行ってはいけない)。中学生のとき
秋の課外授業で海辺に行って釣り。昼食はやっぱり「芋煮」を作る。
この時、一部で「カレー」を作った連中はその日一日無視された(事実)。高校生のとき
部活やメンバーや友人などと川原で芋煮。大学生or若手社会人のとき
合コンとして河原で芋煮。県外から来た女の子を口説く→フラれる。それ以後
自分達の子供や孫を主役として1に戻る。
芋煮&芋煮会に命をかける。(by びぃズ)
宮城の人間とマジでどちらの芋煮がうまいか張り合ったりする。
芋煮の季節ではコンビニですら薪を売る。
山形市の某川の沿岸で『日本一の芋煮会』という、やたらでかい鍋を使って数万食の芋煮を振舞うイベントがある。
地元の人の話を聞いたことがあるが、普通はこのイベントを敬遠するらしいが・・・。何でも湯気でトンボが鍋の中に落ちるらしいが(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
大鍋の名前は「鍋太郎」。竹下内閣の「ふるさと創生一億円事業」でもらった1億円でつくった。しかし、すぐ壊れてしまい、現在は2代目。
出来上がった芋煮はショベルカーですくって取り分ける。
ショベルカーは工事現場で使われたことがないものを使用し、可動部のグリスも食用油脂を使う。すごい執念だ。薪どころか芋煮用の鍋レンタルすら行われている。
薪はスーパー、DIYショップところか、コンビニでも売っている。河原は芋煮をするためにある。河原を歩けばいたるところでかまどの跡を見ることができる。
国、県、市町村に関わらず、河川を整備して公園にする際には、可能な限り芋煮会が出来る環境を整えるらしい。他県に来てスーパーで洗い里芋が入手できないのに驚く。
東京で芋煮を作ろうとして洗い里芋がなかったので冷凍里芋を使った…。庄内と内陸では芋煮の内容が違う。庄内は味噌ベースに豚肉、内陸は醤油ベースに牛肉が主流。
味噌ベースに豚は実は宮城の芋煮=豚汁みたいらしい。
ぶっちゃけ里芋入りの豚汁。
山形のはすき焼きの出来損ない。
鍋の中に残った汁を利用して玉うどんを食べる。
関東でも芋煮と言えば豚肉・味噌味。ただし、日本各地からの移民が多いため、芋煮会の風習は一部の土着民にしかない。
山形県人(庄内出身)だからどうせ牛肉醤油だろうと思って話していたからまさか意気投合できるとは思わなかった(宮城出身)。以前ここにいたときは仲良く2種類作ってたけど。最近は、芋煮の残り汁の中にカレールーとうどんを入れて、カレーうどんにするのが流行っている。意外と美味い。
山形の牛肉・醤油味や岩手の鶏肉・醤油味は最後にカレーうどんにするが、庄内を初めとしたその他多くの豚肉・味噌味地域ではキムチを入れてチゲ鍋にした後、キムチ雑炊にするのもポピュラー。
山形や坂出市の人にとっては芋煮会はとてもメジャーで、心から楽しめるイベントであると思いますが、それは他県の人からはなかなか理解されないものだと思います。
畢竟、その人の価値観というものは100%の普遍性はないのだから、あまり世間一般の価値観にとらわれずに、自分が心から楽しめるイベントに集中した方が、よっぽど精神衛生的にも良いし、そういう選択肢を取り続けている人ほどゆくゆくは「リア充だね」と称されることになるのではないかな、なんて思ったりしました。
そんな話をしたあとの道すがら、「芋煮会」の幹事を依頼され(押し付けられそうになり)、やんわりと固辞をし、僕は僕で最近目覚めた「庭園巡り」という老人趣味にも程がある趣味をささやかに楽しみたいと思います。