アイ

カイゴメン

なんかこんな記事を見ましたが

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様々な機会で男女平等になってきている世の中と、そうでない時代に生きてきた人たちの価値観が微妙にずれ始めているだけで、どちら側にも言いたい本音もあるでしょうし、片方の意見がちょっとさらけ出ただけのことを目くじらを立ててもしようが無い記事な気がしています。

 

個人的に思ったのは、この旦那さんは、おそらく世間では「イクメン」と呼ばれるのだろうな、ということです。

 

育児をしない男性をちょっとおだてて引っ張り出すための便宜上、この「イクメン」という言葉は良い言葉だなとは思っています。ただし言葉も考え方も普及した今、男女平等があたりまえで育児や家事を男性がやるのも当たり前、とした場合、抱っこひもで赤ちゃんを連れ出している程度のことをそこまで特別扱いしなくても良い気がしています。

女性もやりたいことや用事があるでしょうし、産褥期による体調不良や授乳など束縛される機会も多いのですから、家族を支える役割をパートナーが分担して行う事自体が論理的にも妥当なことで、事さらに取り上げるようなことでも無いと個人的には思っています。

 

とはいえイクメンという言葉を取り上げられはじめてから男の方もおだてられて頭にのっているのか、結構周りでも、「赤ちゃんをたまに沐浴させているから」「お風呂に入れているから」「おむつ替えているから」等々の理由で自分のことを「イクメン」と自称している人たちも多いですが、その程度で女性側の負担の何%が軽減されているのか疑問ですし、女性側も苦々しく思っているだろうなと個人的には感じています。

 

話は脱線しますが、僕は読書が好きで月十冊以上は確実に読むのですが、これは僕は単純に好きだから娯楽として読んでいるだけなのに、世間的には「読書をする人は勉強家」というステロタイプがあるためか「偉い」「真面目な人」というような捉え方をされることがたまにあります。

それと同様、育児についても、向いている人もいるし向いてない人もいるし、子供と接するのが楽しいと娯楽感覚で向き合っている人もいると思います。

政府や自治体など、国のグランドデザインを描く人たちはある程度の指針と方向性を決めて広告代理店も巻き込んである程度画一的なキャンペーンを行うのでしょうが、個々人の視点で言ったらもう少し世間のステロタイプから自由になって家族の中でもっとも最適な道を探るのが良いと思います。

僕は「イクメン」とか絶対に呼ばれたくないし自分でも言わないので、「子供好き」で押し通そうと思っています。

 

いずれにせよ、イクメンについては、この引用した記事のように「かわいそう」というような世間の反応はごく一部になり少なくなってきていて、世間的にも好意的な目で見られ始めてますが、一方、親などの介護については、以前までと一切イメージについて変わってきていないように感じます。

子供が生まれるように人は年老いていくのは必定で、家族というものを考えたときに避けては通れないプロセスですが、介護については相変わらず従事していると「かわいそう」としか思われず、特に男性が行っていると他人からは下に見られがちで、面と向かってバカにされることも少なくないですし、会社や周りからのサポートも無い、というのが実情だと思います。

 

こんな記事も最近見かけました。

zuuonline.com

要介護度次第なところもありますが、少なくとも僕の体験している限り、親の介護だけで毎月8万円程度はあっという間に飛んでいきます。平均とはなんなのか、なんでこんなに理解不足の記事が出てきてしまうのか、という感覚になります。

金銭的な負担も、物理的な拘束時間も、介護は子育てと同じかそれ以上求められます。しかし会社からのサポートは多くの会社で全く無いに等しく、介護休暇を申請したら「有給余ってるんだからそれ使え」と上司に強要されたり、そもそも就業規則にそういう事項が考慮されていないので取得が認められなかったり(とはいえ国の制度なので認めなければいけない)、結果として離職しか道が無い、という状況に多くの人を追い込んでいます。

 

ちなみに、「イクメン」でぐぐると400万件くらい記事がヒットする中、「カイゴメン」で検索するとその 1/100 くらいしかヒットしませんね。

介護を、「親のことが好きだから」「育ててくれた恩を」という単純な動機で従事し、そのことが過剰に評価されることもなく蔑まれることもなく、受け入れられるような世の中に、一日も早くなるとよいなと思っています。